児童家庭福祉と教育分野

1979年の養護学校(現・特別支援学校)教育義務化後、
義務教育就学の猶予免除対象者が減りました。

 

そして、1997年の児童福祉法の改正によって、
情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設等の施設における
学校教育の充実が図られる様になっています。

 

保育士が関わる幼稚園、保育所は、就学前教育として、
保育の中でも重要な部分です。

 

重要な部分を占める保育の中で、
幼保一元化によって、「認定こども園」が創設されましたが、
障害児統合保育や卒業後の進路に関する問題も、
新たな問題として起きています。

 

さらに、児童虐待問題も社会問題として大きく取り上げられるようになり、
通告義務や保護者への指導など、幼稚園や保育所は、
子育て支援の役割も担うことが重要になっています。

 

そして、保育所、幼稚園を卒園後の学校でも、
不登校児の急増、学級そのものが成り立たない学級崩壊、
いじめや非行などを含む問題行動への対策が重要になっています。

 

その政策の一つとして、学校教育法施行規則、学校保健法で、
保健室が設置され、養護教諭が配置されています。

 

養護教諭

 

養護教諭は、児童生徒に直接接する事もできるので、
虐待発見や発展上の問題などを比較的見つけやすい立場にいます。

 

また、福祉と学校の連携の上で、重要な役割を果たす立場でもあります。

 

不登校にならないまでも、保健室を利用している児童もかなり多いので、
養護教諭がいる保健室と言う存在は、
児童の居場所を保障する上でも欠かすことができない場所となっている
現状もあります。

 

学校の問題には、医師やスクールカウンセラー、心理職と連携し
対応していくことが今後はさらに必要となってきます。

 

特に児童生徒の心のケア、心身の健全育成、
さらに様々な問題に向けての予防的立場として、
保健室、そして保健室にいる養護教諭の存在は重要です。

 

・養護教諭の職務

 

養護教諭の職務には、以下のようなものがあります。

 

 1 けが、病気になった児童生徒の緊急処置、休養の場の提供

 

 2 児童生徒の保健指導、健康相談

 

 3 児童生徒の健康問題の情報収集による把握

 

 4 疾病予防

 

このように養護教諭は、日々上記のような職務を行いながら、
学校の問題に関しても対応をしていくことが必要です。

児童家庭福祉には、様々な問題に対応するための専門的な知識や技術が必要で、
その専門援助技術をもって、児童にあたることが必要になってきます。

 

児童に関する問題としては、青少年非行の低年齢化、親の育児不安や児童虐待、
不登校やいじめ、学級崩壊など、学校や家庭におけるものが深刻化しています。

 

児童家庭福祉の専門職に、特に必要とされる専門性は、
大きく分けると4つあります。

 

知識

 

知識は一般の教養だけでなく、専門的な知識が必要です。

 

たとえば、学問的な社会学、社会福祉、心理学、医学、法学(法律を含む)、
介護概論、看護学などの知識は、
様々な個別の問題に対処していくうえで応用の基礎になります。

 

これらの基礎の知識をもとに、問題解決に向けて、
その対象に即した援助のために活用できる
現状の福祉制度や福祉サービスなどの地域の資源には、
どのようなものがあるのかを知っておく必要があります。

 

対人援助能力

 

児童家庭福祉の専門職には、問題解決のための
対人援助能力と関係調整能力が必要です。

 

福祉サービスの利用者として、保護者(親)に対して、
受容し共感的に理解を示すことや、
総合的に利用者が置かれている状況野背景を理解し、
受け止める能力等が必要です。

 

その能力を発揮しながら、援助者の価値観を優先することなく、
利用者の価値観を理解しながら、客観的な視野で捉える事ができる能力を
持ち合わせておくことが重要です。

 

指導的支援ではなく、
あくまでも利用者が自らの力で問題解決に至るように支援するのが
児童家庭福祉の専門職の役割です。

 

ですから、側面的な援助能力をもって、援助していくことが必要です。

 

関係調整能力(ケアマネジメント能力)

 

児童家庭福祉の専門職は、客観的でありながら、
利用者への共感的理解も必要ですから、
利用者の尊厳を保ちながら接することも必要です。

 

時には、利用者のあらわす感情に振り回されることがあるでしょう。

 

そのようなときには、職場の上司などによるスーパービジョンを受けられるような
体制作りも必要です。

 

家族や近隣、ボランティアなど、
サポートしてもらえるようなネットワークを活用し、
支援に役立てていくというような関係調整能力(ケアマネジメント能力)も必要です。

 

技術

 

児童家庭福祉には、技術も必要です。

 

この技術は、日常保育としてケアワークの対応が十分にできることはもちろん、
多様化、そして複雑化する問題解決に向けて、
社会福祉援助技術(ソーシャルワーク)を活用し、
保育と関連した相談援助ができることも必要です。

 

そして、子どもに対してだけでなく、保護者に対する保育に関する指導(保育相談支援)
ができる人材が求められていくでしょう。