保育士にはソーシャルワークが必要

保育士には、ソーシャルワークが求められています。

 

そして、保育士には、直接援助技術である個別援助技術(ケースワーク)と、
集団援助技術(グループワーク)、
さらに、間接援助技術である地域援助技術(コミュニティワーク)を
総合的に活用する能力が求められています。

 

個別援助技術(ケースワーク)

 

児童家庭福祉分野の場合、子どもと一緒に保護者の支援を同時に行うことで
効果的な支援をすることができます。

 

ただ、問題を解決していく事に拒否的な保護者も少なくなく、
保育士が具体的に関わっていく事に抵抗を示すこともあります。

 

このような時保育士は、保護者が拒否したり抵抗しなければならない状況、
そのような感情を持つ背景への理解、共感的対応を行い、
示された感情を受け止めることが大切です。

 

また、保護者に向き合う際は、保護者の対応や感情に不快になることもあるでしょう。

 

しかし、何を優先して対応し、支援するかが重要ですから、
自らの価値観や基準で判断や評価をすべきではありません。

 

保育士は関わっている子どもと保護者の問題解決のための
最善の対応策を考えることが必要ですから、
保育士が良いと考えた方向性や価値観を当てはめるのではなく、
あくまでも子どもや家庭が良いと考える問題解決に向けて
力を発揮し、支援していくことが重要です。

 

とはいっても、このような対応をするのは簡単ではありません。

 

担当保育士のバーンアウトを防ぐためにも、
担当保育士だけに責任を負わせるというのではなく、
保育所全体で対応を考え、主任保育士や園長、
所長などベテランによるスーパーバイズが得られる体制作りを整え、
環境を作っていくことが必要です。

 

*バーンアウト

 

バーンアウトとは、燃え尽き症候群といわれるものです。

 

仕事に熱心に打ち込んでいた人がかかりやすい症状で、
突然やる気を失って無気力状態になるなどします。

 

バーンアウトにならないようにするためには、
十分な休養を取る事、仕事を忘れ、
気分転換できるような環境をつくることなどが必要です。

 

保育士と言う仕事に誇りを持ち、
困っている家庭や児童に熱心に向き合うことはとても重要です。

 

しかし、時には気分転換を図ることで、
より適切な援助活動を行うことができるはずです。

集団援助技術(グループワーク)

 

保育所や幼稚園そのものが既に小集団のグループ活動です。

 

このグループ活動は、成長や発達、社会化を得る場として重要です。

 

集団の中、つまりグループの中にいると、
仲間との出会いがあり、仲間との関わりがあります。

 

そして、その関わりを通じて、
感情の交流体験を得られるような活動を展開したり、
人を大切に理解していくことを得たり、
人と一緒に活動する事によって満足感や達成感を得るなどします。

 

そして、仲間に支えられた体験、励まされた体験は、
今から将来に向けて社会人になって行く児童にとって、
大切な精神的成長や発達を促すことになります。

 

高度経済成長とともに、子どもを取り巻く環境が変りました。

 

子どもの遊びは変り、子どもの数が少なくなり、
精神的な成長を遂げる場を、大人が、保育士が提供していくことが必要な時代です。

 

これからの保育士は、子どもの精神的な成長や
発達を促すことができる社会資源としての役割も求められます。

 

ケアマネジメント

 

生活が困難な状態になり、援助が必要な利用者が、
その問題を解決するために必要な保健や医療、福祉、
近隣住民、ボランティアなどの地域の様々な社会資源を調整し
サービスを提供し、地域で生活を維持するために必要な支援を行う援助の方法を
「ケアマネジメント」といいます。

 

ケアマネジメントは、以下のような流れで進めていきます。

 

 1 ケースの発見

 

 2 アセスメントする

 

 3 援助目標を設定しケアプランを作成する

 

 4 ケアプランを実施する

 

 5 モニタリングする

 

 6 新たな課題や問題が発生するなど、必要であれば再アセスメントを行う

 

 7 計画の見直しの検討

 

 8 終結

 

このような流れで、ケアマネジメントは行われます。

 

そして終結するまで、2〜7が繰り返されます。

 

ケアマネジメントは、ケアマネージャーが専門職として実施し、
今までにも高齢者や障害者の分野で、この方法を用いて行われてきました。

 

ですが、現在は、児童家庭福祉分野に携わる保育士などの専門職が、
ケアマネジメントを行う必要性が出てくることも少なくありません。

 

児童虐待など、深刻化した社会問題、
複雑化した家庭の問題の解決に向け、
家庭での養育が難しい子ども達、
実際に虐待を受けて施設に入所している子どもたち、その親というように、
家族を視野に入れた援助が必要な現状があります。

 

複雑な家族問題に対応するためには、
児童相談所や福祉事務所、保育所、幼稚園、学校関係、病院、警察等の関係機関、
地域住民、児童委員、ボランティアが連携を取っていく事が必要です。

 

その連携の橋渡し的な存在になるのもケアマネジャーです。

 

近年は、問題が深刻化している家庭も少なくありません。

 

そのような時、個別援助技術(ケースワーク)による生活の問題を把握し、
同時に子どもや家庭がどのような状況下にあるのか、
その家庭の生活や状況、環境などに目を向けて、
地域援助技術(コミュニティワーク)の手法を用い、
地域の中で対応していくことも必要になってきます。